Fairy Dust

 

夏の終わりのある日の河原

朝もやの中

予告もなしに

一斉に飛び立つ渡り鳥たち

 

ねぇ

帰る前にひとつ

聞いてもいいかな?

 

渡り鳥の故郷は

夏の家なの?

冬を越す場所なの?

それともやっぱり

生まれた場所?

 

ナンセンスな私の問いに

鳥たちは

見事なフォーメーションで

答えてくれた

 

あれは

弧を描く紙飛行機?

ゆらゆらひらひら粉を撒く蝶か・・・

 

粉?

ああそうだ

妖精の粉!

 

どこが故郷かなど

なぜ問う必要があるの?

 

振りかけられると飛べるという

それを

親切な渡り鳥は

私にも振りかけてくれた

 

ありがとう

お気をつけて!

 

朝陽の中に高く高く

吸い込まれていく

渡り鳥のフォーメーションは

妖精の粉